姉さん事件です!!

t-2take2006-10-28

金曜日の夜のこと。
目の前で事件が起きた。


僕にとっては、いたって普通の金曜日。
恵比寿の事務所で仕事を終え、9時57分発の湘南新宿ラインに乗って帰路につこうかと恵比寿駅に。
構内放送で、「大宮でのポイント故障により、湘南新宿ラインは停止」ということを聞かされた。
仕方がないので東海道線に乗り換えるために品川まで山の手線に。



-----------ここまではツキがないなぁ程度-----------



品川到着後、コンビニに寄って水を購入してから東海道線の下りホームである11番線に向かう。


僕と同じように東海道線への乗り換えを余儀なくされた人たちが多く、ホームはえらい人だかり。
階段を下りたばかりの周辺では車内も混むなぁと思い、ずっ〜と後ろへ。
12号車の真ん中くらいのところ、先頭に並ぶ。


     --------ここまでは至って普通---------


で、先頭に立って電車を待つ自分。
確か、品川10時22分発の平塚行き。
ぼ〜っと音楽を聴きながら電車を待つ。


何の気なしに向かいのビル群を見つめたりして待つこと数分・・・
まあぼ〜っと、下り方面を見ると・・・電車を待つサラリーマンやOLさんが皆こちらを見て、驚きながら後ずさりをしている。


何が起きた???


と、同時にけたたましい警笛を鳴らしながらホームに入ってくる電車。
その警笛の大きさに驚き振り返ると・・・
電車が暴走してホームに突っ込んでくる。
そう思うほど鬼気迫る瞬間。


振り返った瞬間はもうスローモーションのよう。


電車待ちをしていた人たちが、さーっと輪のよう後ずさりしながら線路側から逃げていく。
電車は凄い勢いで入ってきた。


そこでようやく僕は事態を理解した。


電車が入って来るホームの端には人が!!


声も出ないとは正にこのことだろう。
身が固まりなにもできなかった。


電車は凄いスピードで走っており止まれない。


まだその人の体はホームの端に左手と左足が残っている。
もう駄目だ間に合わない・・・と思った刹那、電車の先頭車両は僕の左側を通り抜けた。


何がどうなったのか?
急いで僕はイヤホンを耳から外した。



この一瞬なにが起きたのか記憶が混乱している。
がしかし、ホームに人がゴロゴロと転がっていたのを見つける。


血は飛び散ってない。
(なぜか、これを一番最初に確認した)


周囲の人の反応は?
電車は?


急停止して電車は、僕の真横に3号車が来ていた。
(本来なら12号車なはず)
ホームは赤い緊急ランプがグルグル回り、警報がビービー鳴り響く。


暫くすると、今度は逆に落ちたと思わしき人の周りに輪ができていた。
この瞬間、大丈夫だっのかもという安堵感が沸いてきた。


あとはもう駅員さんを呼びに行く人やら野次馬やら駅員さんとか、とにかく人が沢山飛んできた。


結論からすれば、「助かった」らしい。
らしいというのは、あまりにも人の輪ができてしまって直接見れなかったから。


そのあと、電車もゆっくりと動かされた。
そして、数分後には電車は通常通り下り路線を走っていく。
もちろん、僕もその電車に乗って。



車内でも音楽を聴きながら帰った。
品川で乗った人も、川崎で乗った人も誰も事故の話しはしていないように感じた。
当然、僕も通常の帰宅風景に混じっていった。



でも、一歩間違えたら目の前で人が電車に轢かれる現場を見るところだった。
電車に乗っても、もし事故にになっていたらどんな惨状にになっていたのだろうかと、頭の中でグルグルと想像した。
人間って自分の想像を越える事態に陥ると、本当になにもできない。
本当に体が動かない。
まるで映画かなにかを見ていたようだった。
リアリティがないとはこのことだろう。



ずっ〜と音楽を聴いていただけに、自分の存在と目の前の出来事をうまく融合して理解できなかった。
リアリティというか現実感を欠いた中で、もし目の前で人が轢かれたら・・・と恐ろしくなった金曜の夜でした。