手紙

ふらふらと入った本屋の入り口の棚に積まれてた。
東野圭吾の「手紙」を読みました。

手紙 (文春文庫)

手紙 (文春文庫)

丁度、この11月3日から映画が公開されるとか。
下のURLが公式ページ。

http://www.tegami-movie.jp/


内容的は、殺人を犯した兄を持つ弟の話し。
殺人犯を肉親に持つ人生は、そんな簡単なものじゃないぞというもの。
ちょっと重たいテーマだけど、人道とか道徳とか言って避けて通ることはできないよね。
いかに世の中が差別で凝り固まっているかというのが良く判る。


実際、身の回りには殺人犯の肉親って人は居ない(ように感じる)。
ただ、もしかすると居ても敢えて言わないで暮らしているのかもしれない。
そうした立場には自分がなってみないと判らないことだとも思った。


まあ、映画を見る前に一度読んでみることをお勧めします。
殺人犯ということだけでなく、差別とはどうして産まれるのか。
そして、どうその差別と立ち向かうのか。
結局は差別が無い世界は皆無なんだと気がつかされます。


自由と差別と貧富の差は、この地球上からは無くならない。
食物連鎖をみても判るでしょう。
弱者と強者は確実に存在していて、生あるものは皆生きるための術を身につけなければならない。


それは、どんな生き物=人間も同じ。
でもね、最後の章は涙なくしては読めない。
どんな心情で主人公が居るのか、殺人犯の兄がいるのか。
想像するだけで胸が詰まる思いでした。


人は差別されています。
それは容姿だったり、財産状況だったり、産まれた土地だったり、学歴だったり。
もちろん世界では、人種、宗教といったことでも差別があります。
無くなることはないでしょう。
でも、相手を理解することはできます。
そして、差別を受ける側にも同じことがいえます。


結局は人間は産まれた瞬間から死ぬまで、多かれ少なかれ差別を受けながら生きるんです。
それを他人のせいにしてはいけない。
というのが本を読み終えてから感じた、僕の結論です。