今夜は眠れない

さて、今回は短めの単行本。

宮部みゆき著で「今夜は眠れない」だ。

今夜は眠れない (角川文庫)

誰もが一度は願う大金持ち。
宝くじや、トト、LOTOなど買っては3億円当たったらどうしようかと当選日まで夢を膨らます。
しかし、実際手元に大金が転がり込んできたら…
しかも、思いもしない人から突然5億円もの大金を遺贈されたりしたらどうなるのか？
この本はそんな、思いもしない事が起きた家族の物語。

この本を読み終えたとき、貧乏でも良いかな〜という思いが微かによぎった。
でも、思い直した。
5千万くらいなら良いか？とね。

まあ、宮部みゆき著の本だから当然ミステリーが絡むわけだ。
ある日、突然5億円を遺贈された家族。
子供の目線から見たそこそこに幸せそうな家族。
でも、両親にはそれぞれに秘密があり溝がある。
知らなくて良かった事が、大金を手にしたことで全て噴出する。

物語が子供の目線から書かれていて、主人公の雅夫が少しずつ謎を解いていく過程はなかなか面白い。
最後まで飽きさせることなく進むテンポの良さと、雅夫をサポートする島崎の会話が軽妙で楽しかった。