Web進化論

やっと読み終えましたよ、『Web進化論』。


ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)


知人の勧めがあって読んだ本だけど、かなり面白かった。
現在の世界におけるWebの位置付けだとか、ビジネス本だと思って読み始めたけど読み終わってみると、まったく違う感想をもった。


無数の個が集まるととんでもないことが出来るんだよ。
情報の無償公開が世界を変えていく。
などなどはビジネス的な要素も含めているが、その思想とか成り立ちは別の意味で人生とか、考え方とかにそのまま置き換えることが出来る。


とにかく目から鱗の一冊。


結論から超簡単に言えば、昔読んだ『チーズはどこへ消えた?』に近いかな?


チーズはどこへ消えた?

チーズはどこへ消えた?

  • 作者: スペンサージョンソン,Spencer Johnson,門田美鈴
  • 出版社/メーカー: 扶桑社
  • 発売日: 2000/11/27
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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でも、この本と違うのは過程や経緯が詳しく書かれていて、詳しく解説してくれている点。
なんで、今のGoogleは凄いのか、なんでちょっと前までは世界を引っぱってきたYahooやMSが時代に遅れを取り始めているのかが良くわかる。


でもね、本質はそこじゃない。
考え方。
発想。
マインドだ。


IT系の仕事をしていない人でも、まぁとにかく読んでみて。
いろんなことに当てはめて考えることが出来るから。



俺が気がついた1つの事例。



あえて書くけど、我が愛しのベルマーレは今年の初めからキャンプで行った練習試合の結果を極秘にした。
その頃から、チームの判断には不満を感じていたが何に対して不満で、何がおかしいのか上手く理解できなかった。
しかし、これは完全に一世代前の発想だとこの本を読んで確信した。
完全なマイナス。
後退だ。
チームの情報を内に止め隠すことは、すなわち一世代前の大手メーカーのプログラマーと同じ。
自らの保身のために情報を隠す。
しかし、それは躍進的な成長を促さない。


事実、我がチームのサポーターは直接その試合を見たとしても、自由に発言の出来る自分たちのブログというオープンな場でもチームに遠慮しシステムやポジションを公開しないでいた。
これでは、議論どころか話題性にも欠ける。
本来、ブログとは(もちろん個人の裁量で)自由に表現できる場であり積極的に交流の出来る場であった。
しかし、その場を奪われた。


その結果はどうだ?
サポーター同士が、ブログ上のコメント欄に「○○のサイドは良いよねぇ」とか、「○○はボランチよりも前目のほうが良くないか?」などという議論は全く行われず、ただひたすら沈黙を通し開幕を待った。
結果、それほど頻繁に試合を見れない人にとってはお気に入りの選手がどのポジションで使われているのかも判らず開幕を迎えたわけだ。
怪我なのか?調子を落としているのか?もう少し情報があれば・・・・と思った人も少なくないだろう。


しかも、その情報機密はリーグ戦も始まったというのに未だに練習試合の結果すらまともに公表されていない。
嘆かわしい限り。


多くの情報を積極的にオープンにすることで、その情報を元に「あ〜でもない」「こ〜でもない」と議論することでムーブメントが起きる。
そのムーブメントがチームを応援するもの達にとっての1つの楽しみだったり、横の繋がりを深めるコミュニケーションだったりする。
調子の良いときだけでなく、悪いときにでも横の関係が絆を深め結束を強める要因となる(と信じている)。
が、今年のベルマーレは放棄した。
今、この本を読み終えた時そう解釈した。


勿論、この考え方は間違っているかもしれない。
が、僕はこう解釈したことで気持ちよく納得ができた。


出来ることなら、今後は楽しく議論したいもんだ。