ラッシュライフ

年が明けて、読み残していた本をようやく今日読破した。

それが、伊坂 幸太郎著の「ラッシュライフ」。

ラッシュライフ (新潮文庫)

それほ本当にエッシャーの騙し絵だった。
右上にある絵がそれ。

本文中にも何度かでてくるんだけど、伊坂氏の「ラッシュライフ」がまさにそれ。
時間を超え登場人物が騙し絵のように、あっちとこっちに繋がる。
そして、面白いのは繋がると見せかけて離れていくところ。

ことの本質は、見る側の意識ひとつで変わる。
そんなことを思いながら読んだ本。

そして、読み終えて巻末の解説を読み「やられた！」と思った。
実は伊坂氏の作品自体が、この「ラッシュライフ」騙し絵のように、他の作品と繋がっているというのを知った。
そうか、「重力ピエロ」に出てきたあの黒澤は、この黒澤でもあるんだぁ…とね。

こういう憎い仕掛けをされると、読者ははまっちゃうんだよね。
完全に書き手が読み手の心理を誘導しているよ。
マジで凄いなこの人。
出会えてよかった。

まだ2作目だけど、これからも読んでいきたいと思わせた。